「ローカル5G」で災害時にテレビ放送 12月から実証実験 OCNやOTVなど


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 沖縄ケーブルネットワーク(OCN、那覇市、大熊茂隆代表)など3社は、台風などの災害時にテレビ放送の早期復旧を目指し、限られた場所で高速通信を利用できる「ローカル5G」を活用したシステム構築の実証実験を12月から開始する。

 実証実験には、OCNのほか地域ワイヤレスジャパン(東京、小竹完治代表)、沖縄テレビ放送(OTV、那覇市、船越龍二代表)が参加する。

 実験では、浦添市の集合住宅地域にOCNがローカル5Gを構築する。20世帯未満を対象に、ローカル5Gの受信端末などを配布する。ケーブルを抜くなどしてテレビに受信障害の状態を作った上で、ローカル5Gを活用したIP映像配信に応急的に切り替えることで、迅速にテレビ視聴の復旧を図る。

 ローカル5Gは、自治体や企業が主体となって、限定的な地域で5G網を構築する無線通信システム。高速大容量、超低遅延、多数同時接続などの5Gの特性に加えて、外部環境に依存しない安定的なネットワークを保有できるという。

 沖縄では、台風によるケーブルテレビ引き込み線の断線や地上波テレビ放送の受信アンテナの倒壊・破損によって、テレビ視聴や有線インターネット接続への障害が頻発する。先端技術の活用で、災害時の課題解決を図る。