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映画の魅力伝え49年...人気番組「スクリーンへの招待」終了へ FM沖縄・安谷屋眞理子さんも「引退」

スタジオでの安谷屋眞理子さん(2008年12月撮影、エフエム沖縄提供)

 ラジオパーソナリティーの安谷屋眞理子さん(72)の人気番組「スクリーンへの招待」(エフエム沖縄・毎週日曜午後8時~)が26日の放送で終了する。銀幕の話題を落ち着いた語りで伝えて49年目の番組は、多くの映画ファンに愛されてきた。安谷屋さんは顎(がく)関節症の治療のため、番組終了と同時に「引退」も発表。しかし、終了を惜しむ多くの声や医師の助言もあり、映画の魅力を伝えることへの思いを強めている。「別の形で、また始められたら」。約半世紀で番組を閉じるに当たり、新たな活動を模索していく考えだ。

 安谷屋さんは1973年秋に、エフエム沖縄の前身の極東放送に入社。先輩らが交代で務める形で既に始まっていた番組を一人で担当するようになった。同局によると、一人のパーソナリティーが同じ番組をこれだけの期間、担当するのは全国的にも珍しいという。

 小3の時、東京から両親の故郷の沖縄に引っ越して来た。当時は国際通りに数多くの映画館が立ち並び、いくつもの映画の大看板が飾られていた。映画は物心つく前から身近な存在。米施政下の沖縄では、日本本土から半年ほど遅れて公開されるのが普通で、映画を見る前にラジオで主題歌を覚えることも多かったという。


入社間もないころの安谷屋眞理子さん(エフエム沖縄提供)

 番組を担当するようになってからは「全作品見る」ことを目標にした。取材用パスを手に、仕事帰りや休日に映画館に通った。「スクリーンに向かい、日常と違う世界に入り込んでいく素晴らしい時間」。感情移入し見終わった後は、番組でリスナーと感想を共有するのが楽しみとなった。

 番組の魅力は「1本の映画にさまざまな年代の方が感想を寄せてくれること」と語る。だからこそ「作品の悪口は言わないと決めた」。「映画はそれぞれの人生を通して見るもの。好みは千差万別で、年齢も環境も過ごしてきた日々も違う。感動した映画を『つまらない』と言われたら、自分が否定された気持ちになるかもしれない」と、映画を愛する気持ちからのことだ。

 番組の録音から編集まで一人でこなしてきたが、昨年6月ごろから顎(がく)関節症が悪化し話しづらくなった。終了を決意し、8月29日に番組内で発表した。

 決意の一方で寂しさも感じる中、医師から「やめないでいいんだよ」と助言された。セルフケアで症状を改善できることも知った。

 番組終了に絡むここまでの一連の出来事は、肩の荷を下ろすきっかけにもなった。「気にしなくてもいいところまで、気にし過ぎていたのかもしれない。リラックスしてもいいのかな、と思えるようになった」。映画とラジオにささげた半生は番組終了で節目を迎えるが、これからも劇場へといざなう活動を続けていきたいと考えている。



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