激戦地土砂使用、自民総裁候補らに公開質問状 具志堅氏「国の慰霊行為否定」


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沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の具志堅隆松代表

 自民党総裁選と次期衆院選を前に、沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の具志堅隆松代表は16日、総裁選候補者と各党代表に公開質問状を送った。沖縄本島南部の土砂問題に関し、どのように対応するのか、遺族や国民に表明するよう求めている。

 具志堅代表は、名護市辺野古の新基地建設の埋め立てに、沖縄戦の激戦地だった本島南部の土砂を使用する計画の撤回を求めている。質問状では、計画について「犠牲者の骨や血がしみ込んだ土砂を埋め立てに使うなどあってはならない」と指摘した。

 戦後、戦没者の遺族の元に、遺骨の代わりに「御霊石(ごれいせき)」が届いたことに触れ、「戦没地の土砂と言われている『御霊石』を埋め立てに使うのは、国が先に行った遺族への慰霊行為を自ら否定することだ」と断じた。その上で「基地建設に賛成か反対かではなく、人道上の問題だ。日本兵は全国から沖縄に派兵された青年たちで、沖縄だけの問題ではなく全国の問題だ」として、遺族の心情に沿った対応を希望した。