【記者解説】疲弊する現場や保護者…コロナ禍の特別支援学校、学びの保障どう守る?


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 コロナ禍での特別支援学校の現状や課題を聞いた今回のアンケートでは、重症化リスクの高い児童生徒も在籍する学校の特性上、常に感染不安が拭いきれず、疲弊する現場の様子が明らかとなった。障がいの様態も多様なため、同一の感染対策はない。各学校とも張り詰めた緊張感の中、個に応じた対策を講じていた。特支では児童生徒への支援の充実のため、従来から学校や保護者、福祉・医療関係機関との情報共有や連携が不可欠とされている。各学校とも、学校産業医や近隣の医療機関からの指導や助言によって感染対策を進めていた。

 一方で、「先が見えない」、基礎疾患がある生徒が多数在籍するため「感染対策を徹底しても毎日が不安」との切実な声が並び、精神的負担の大きさがうかがえた。学校には保護者からも同様に、子の感染不安を訴える声が届く。

 那覇市では昨年度から、教員の業務負担の軽減を目的に「スクールサポートスタッフ」を募集している。校内の消毒作業など感染予防に関する業務も行う。新型コロナウイルスには長期的な視野での支援対策が求められる。学校や保護者の疲弊軽減のためにも、学校の特性を考慮した上で、児童生徒を支える環境の再構築が望まれる。(新垣若菜)