沖縄・奄美の世界自然遺産「外来種侵入時の体制を」学識者が助言 第1回科学委員会


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多種多様な動植物をはぐくむやんばるの森=7月26日、国頭村安波(小型無人機で大城直也撮影)

 沖縄・奄美の世界自然遺産地域の自然環境の適正な保全管理へ、学識者が科学的な助言を行う2020年度第1回の科学委員会が22日、オンラインで開かれた。登録時に世界遺産委員会から求められた四つの課題への対応として事務局がまとめた方針について、「侵入が懸念される外来種が入った場合の即応体制を検討してほしい」などの意見が出た。

 委員会は琉球大の土屋誠名誉教授を委員長に、琉大や鹿児島大を中心に合計14人の学識者で構成される。世界自然遺産に関わる国と沖縄・鹿児島両県の行政機関が集まった地域連絡会議は、委員会からの科学的助言を受けて、遺産委員会への対応、遺産地域の管理計画や2019年度に策定されたモニタリング計画を進める。

 委員会では、モニタリング計画で定められた「種の保全状況」「侵略的外来種の生息状況」など20の指標を4段階で評価した案が提示された。委員らからは「地域の努力で外来種がいない状況を維持していることを評価・記録してほしい」といった意見が出た。事務局はこれらの意見を元に、19年度の「評価シート」を完成させ公表する。