サイバー犯罪 相談932件 県警上半期 過去最多、摘発は49件


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 2021年上半期(1~6月)で、県警に寄せられたサイバー犯罪などの相談件数は932件に上り、半期における相談件数で過去最多だった。携帯電話のショートメッセージ(SMS)から偽サイトに誘導するなどして、クレジットカード番号などを詐取する被害の相談が急増している。県警サイバー犯罪対策課が22日発表した。サイバー犯罪の摘発件数は49件で、そのうち子どもが被害者となる犯罪が約6割を占め、県警は「全国平均(約3割)よりも割合が非常に高い」と警鐘を鳴らしている。

 偽サイトなどからクレジットカードの情報を盗まれる手口の相談件数は113件だった。手口の一つ、スミッシング詐欺は、SMSから偽のショッピングサイトのURLを送りサイトへと誘導、サイトにクレジットカード番号を入力させ、番号を不正に盗む詐欺だ。

 カード番号などが盗まれる被害は19年10月ごろから増加し始めた。20年は上半期で41件、1年間で114件だった。21年は上半期だけで113件となり、前年同期比で2・75倍増えている。県警は、誤って個人情報を入力した際には、そのクレジットカードや銀行口座を止めるなどの対策を取るよう呼び掛けている。

 サイバー犯罪の摘発件数は49件と前年同期比で9件減少した。そのうち、SNSの使用で子どもが犯罪に巻き込まれる県青少年保護育成条例と児童買春・児童ポルノ法、児童福祉法違反が30件あり、全体の約6割を占めた。県警は「全国平均の約2倍で非常に高い数字だ」としている。