米軍、嘉手納基地にヘリ新格納庫計画 25年完成、機能強化


この記事を書いた人 Avatar photo 桑原 晶子
米軍嘉手納基地

 米空軍が沖縄県の米軍嘉手納基地内で救難ヘリコプターHH60用の既存格納庫を解体した上で、格納庫や整備・管理機能を備えた新施設を建設し、機能増強を計画していることが28日までに分かった。9機分のヘリ整備施設や6機分の駐機・洗浄施設などを新設する。2022年6月に着工し、25年5月に完成を見込んでいる。

 米軍が公開している予算書によると、嘉手納基地の第33救難飛行隊は現在、10機のHH60ヘリが配備されている。24米会計年度(23年10月~24年9月)中に同ヘリを現行のG型から新型のW型に置き換え、新施設には新型ヘリ用のフライトシミュレーター設置も計画している。空軍は22米会計年度予算として1億6800万ドル(約186億円)を計上している。

 施設更新の理由は既存施設老朽化や台風対策としている。予算書で米空軍は既存施設が手狭なため、台風襲来時に機体を別の場所に保管する必要があると説明している。

 施設老朽化で整備人員の危険などもあるとして「台風で航空機に重大な損傷を与えたり、運航を停止したりする可能性がある」と予算化を求めた。

 既存施設は嘉手納基地北西部にあり、フェンスを挟んで、嘉手納町役場や住宅地と隣接している。當山宏嘉手納町長は「全容が分かっていないため、調査結果を踏まえて対応したい」と述べた。

 格納庫が整備されることによって騒音の増大につながるのであれば、町が求める基地負担軽減に逆行するとし「基地機能強化が住民の負担増にならないか注視したい」と語った。

 格納庫の更新計画について嘉手納基地の第18航空団は本紙取材に「予算は草案の段階のため、言及できない」と回答するにとどめた。沖縄防衛局は本紙取材に「米側に確認中」と答えた。