普天間基地の閉鎖は?今後の展望は? 就任3年、松川宜野湾市長に聞く


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就任3年を迎え、市政の課題や展望を話す松川正則宜野湾市長=9月30日、同市役所(高辻浩之撮影)

 【宜野湾】宜野湾市の松川正則市長が1日で就任3年を迎える。同市は米軍普天間飛行場を抱えるなど大きな基地負担がある。日米両政府による返還合意から25年が経過したが、返還のめどは立っていない。市の課題や取り組み、今後の市政運営などを聞いた。

 ―公約で掲げた米軍普天間飛行場の閉鎖・返還は実現していない。どう考えているか。

 「政府に要請している。辺野古への新基地建設が順調に進めば、12カ年と返答があるが、県と国との対立が激しい中で、閉鎖の目標年度のめど付けは厳しいと言われている。市議会では辺野古移設促進を求める意見書を賛成多数で可決している」

 「市としては、跡地利用などを市民に示したいと思っているができていない。県にはあらゆる手段を尽くして、ほかに手だてがないのか考えてほしい」

 ―米軍によるPFOSななどを含む汚染水の基地外放出など、基地から派生する汚染問題などについて市の対応は。

 「8月に突然の放出があり、関係各所にすぐに連絡を入れ、抗議した。放出に関する事前説明を受けていたが、それでも市民の心情としては、前年4月のPFOSなどを含む泡消化剤流出事故などもあり、納得できるものではないだろう。市の調査結果では、放出後に高い数値が出ており、それから2週間後の調査では、一般下水程度だった。断定はできないが、米軍の説明とは異なり、浄化できていないまま放出されたのではないかと推測する」
「先日、普天間飛行場内の格納庫地下貯水槽に残る未処理の汚染水を全て防衛省が引き取り、焼却処分することが決まった。27日からは汚染水の抜き取り作業が始まっている。今後も政府や、米軍とも協議、意見交換をしていきたい」

 ―市の今後の展望は。

 「昨年6月に人口10万人に達した。県内外からの移住者も増え、宇地泊地域や15年に返還されたキャンプ瑞慶覧の跡地である西普天間地区など、市内の各地域で今後の発展が見込まれる。長年の課題である交通渋滞の緩和に向けたアクセス道路の整備も考えている」
(聞き手・新垣若菜)