おかえりネコ店長 2週間の「家出」からふらり SNSで話題に 伊江島の平良金物店


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 【伊江】「2週間ぶりに愛猫が帰ってきた」と、会員制交流サイト(SNS)などで話題になったネコがいる。沖縄県伊江村川平区の平良金物店で“名物店長”として親しまれている雄ネコのジャブ(5歳)。のんびり屋で人懐っこい性格のジャブ店長は客からも人気者だ。

2週間ぶりに帰宅し、店の外で客を待つジャブ店長=9月24日、伊江村川平の平良金物店

 8月20日の旧盆(ウンケー)の日に、店の従業員で、飼い主の大城あづささん(43)が、軽自動車の上で寝ているジャブの姿を目撃して以降、行方が分からなくなった。翌朝になっても家に戻らず、あづささんの家族や店主で母の美代子さん(73)らが自宅周辺などを探すも見つからなかった。2日後にフェイスブック、インスタグラムなどSNSを使って捜索を呼び掛けると、それを見た友人や知人、店を訪れる客らが協力し、目撃情報などが数件寄せられた。あづささんは「ジャブは自ら遠出はしない。帰ってきてほしいと思いつつ、諦めそうになった時もあった」と不安な日々を過ごした。

 9月3日午後10時ごろ、自宅で飼っているインコが急に暴れだした。あづささんがふと畳間を見ると鈴の音や「ニャー」とも鳴かずに堂々と仏壇の前に座り、あづささんを見つめるジャブの姿があった。ジャブは日ごろから自分で戸を開けて出入りする。突然の出来事にあづささんは「びっくりして心臓が飛び出るかと思った。心の準備ができず先に涙が出てしまった」と喜んだ。

 ケガや痩せている様子はなく元気で、翌日からいつも通りに“出勤”。心配していた客も2週間ぶりの再会に笑顔が広がった。

 ジャブ店長は午前中は店内でゴロゴロし、昼すぎには商品棚や車の下で昼寝や店の周辺に出掛けるなど悠々自適に過ごす。

 2カ月前に店の近くで保護した雌ネコの「きぃちゃん」と一緒に、今日もお客さんを待っている。

(金城幸人通信員)