ヘイトスピーチ規制条例の沖縄県の会議が解散 スケジュールは見えず 


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沖縄県庁(資料写真)

 ヘイトスピーチ(憎悪表現)の規制条例に向けて沖縄県が設置した、専門家5人から意見を聞く「県不当な差別的言動に関する法制面からの専門家を交えた準備検討会議」が、9月に解散していたことが1日までに分かった。同日の県議会文教厚生委員会(末松文信委員長)で県女性力・平和推進課の担当者は「専門家の任期は来年3月末までだが、法制面の整備は一定程度確認できた」と説明。一方で条例の制定に向けた具体的なスケジュールは示さなかった。

 罰則規定については専門家から、実効性がない「理念型」だとヘイトスピーチを放置しかねないなどの意見などがあったという。座安治生活企画統括監は「罰則を科すための厳密な規定を置くのは難しい」としながらも、現時点では「県として結論は出していない」と述べるにとどめた。

 県側は、検討会議を論点整理のための勉強会と位置づけており、現時点で議論内容を公表する予定はないという。今後は新たな検討会議を設立するという。

 県議会に寄せられるヘイトスピーチ関連の陳情は、条例制定を望む意見から、作業の進展を求める内容に変わり始めている。委員からも、県に対して作業の迅速化や、議論の方向性を明確に示すことを求める意見が多く上がった。