「産業振興で若者の定住につなげたい」 渡名喜村長初当選の比嘉氏に聞く


社会
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村政刷新に向けた政策などを語る比嘉朗氏=4日、渡名喜村の自宅

 【渡名喜】3日投開票の渡名喜村長選挙で初当選した新人で元会社役員の比嘉朗氏に4日、村政刷新に向けた取り組みなどを聞いた。

 (聞き手・比嘉璃子)

 

 ―選挙結果をどう捉えるか。

 「競って勝つぐらいの選挙だと予想していた。公約で掲げた産業振興による、働く場の確立が若者の定住につながり、子育て支援によって児童生徒が段階的に増えていく。それが村民に届いたと思う」

 ―まず着手する政策は。

 「養豚業に取り組みたい。島内で加工して輸出することやブランド化も考えている。島特産のもちきびや島にんじんの堆肥になり、エコファームの実現にもつながる」

 ―過疎化対策は。

 「養豚業やダイビング業者の育成などに加え、高齢者が長期にわたって島に滞在できる保養と介護を兼ねた施設を実現したい。雪国のお年寄りに厳しい冬を沖縄で過ごしてもらう。島出身のお年寄りにも施設を利用してもらいたい。雇用効果もかなり期待できる」

 ―主な子育て施策は。

 「0歳児から預けられる保育所と、放課後に児童生徒を受け入れる児童館を建設したい」「ふるさと納税や村出身者からの寄付金などを基に、給付型の教育支援基金を創設したい。高校や大学入学時に支給する」

 ―政策実現に向け、財源をどう確保するか。

 「米軍に射爆撃場として入砂島を提供している。今ある漁業補償金に加え、防衛省から補助金などを得られないか検討していく」

 ―過去に村で官製談合事件があった。再発防止にどう取り組むか。

 「競争入札は低入札になる懸念がある。値段が下がれば品質も下がる。それを懸念して談合のような形になるのかなと思う。入札前に予定価格を公表することで品質維持につなげ、低入札も防止したい」

 ―副村長のポストを設置する考えはあるか。

 「各分野で忙しさが出てくると思う。スムーズに連携の取れる人を率先して探したい」


 比嘉 朗氏(ひが・あきら)1956年6月1日生まれ。村出身。沖縄国際大卒。建設会社社員や役員などを経て、2021年7月、村長選立候補のため退職した。