西銘沖縄相の手腕注視 「現場主義」に意欲 辺野古移設は「やむなし」


社会
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沖縄北方兼復興担当相に就任が決まり笑顔を見せる西銘恒三郎氏=4日、東京

 【東京】「沖縄の将来をどうするのか。これまでの議論を参考にしながら頑張っていきたい」。沖縄北方担当相に就任した西銘恒三郎衆院議員は4日午後、議員会館事務所に詰め掛けた報道陣に対し、就任に向けた決意を語った。復興相との兼務になる点に触れ、「とにかく現場に出る」と表情を引き締めた。

 午後3時45分ごろ、首相官邸から入閣を知らせる電話が入ると、西銘氏は「分かりました。ありがとうございます」と落ち着いた口調で応じた。

 岸田文雄首相から入閣の打診を受けたのは3日午後5時半すぎ。自身の選挙区である宮古島市で遊説中に吉報を受けた。重責への緊張で「午前3時、4時に目が覚めた」。午前5時すぎに都内の議員宿舎周辺を歩くなどして気持ちを落ち着け、「その時」に備えた。

 国務大臣としては初めて沖縄担当相と復興相との兼務になる。1972年の日本復帰以降、沖縄戦の惨禍や米統治で遅れた沖縄の経済復興を目指すために始まった沖縄振興の趣旨になぞらえ、「復興という意味では沖縄と福島には相通じるものがある」。「被災者の気持ちに寄り添うのが基本だ。現場主義に徹したい」と力を込めた。

 2012年の衆院選で、米軍普天間飛行場の県外移設を掲げ、その後、辺野古移設容認に転じて批判を浴びた。西銘氏は「反対の県民感情が分からない訳ではない」としながらも、「政治の現実として普天間飛行場の全面返還を解決するためには辺野古移設はやむなしだ」と改めて強調した。