「エンパワメント・ラボ」発足へ ジェンダーやフェミニズムの視点で学び合い


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「エンパワメント・ラボ おきなわ」を設立する共同代表の上野さやかさん(右)と宮城公子さん=6日、沖縄大学

 性暴力や女性問題などを考える市民団体に所属する上野さやかさんと沖縄大学教授の宮城公子さんは、ジェンダーやフェミニズムの視点から日常のさまざまな問題について気軽に語り合い、学び合える場をつくろうと任意団体「エンパワメント・ラボ・おきなわ」を設立する。暴力のない平和で平等な社会実現を目指し、国連が定めた10月11日の「国際ガールズ・デー」に合わせて発足する。

 花を手に性暴力の根絶を訴える、フラワーデモin沖縄の呼び掛け人の一人でもある上野さん。2019年8月から始まったフラワーデモには、毎月新しい参加者が加わるなど広がりを見せ、継続することの重要性を感じている。「性のことで苦しむ人が少なくなってほしい。一人一人が自分の存在を大切に思えるよう、エンパワーメント(力を引き出す)の視点からの支援が大切だ」と話した。

 宮城さんの元には、学内やバイト先などでの悩みを抱える学生からの相談も寄せられる。「男女がお互いを大切にするためにも、それぞれの性を知ることが重要だ」とし、ラボの活動を通じて性教育の促進にも取り組む方針だ。

 オンラインを活用した勉強会など啓発・学習や、暴力や虐待の実態を把握するためのアンケートなど調査・研究、人材育成・研修派遣事業などを進める。幅広い年代の人々が、日々の暮らしの困りごとや不安を気軽に話せる場や、互いのネットワークを広げ学び合う機会づくりを目指す。今後、フェイスブックなどSNSを活用して情報を発信する。

 上野さんは「ラボの中では全ての人が平等。フラットな関係で活動をしていきたい。既存の団体ともつながりをつくり、いじめや虐待、暴力をなくす一助となればと思う」と語った。