AIで子ども見守る実証実験 在宅の様子を保護者へ伝達


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浦添市内のひとり親や共働き世帯を中心にWi―Fi機器とAIを用いた子どもの見守りに関する実証実験を行う(左から)おきでんCplusCの仲程拓社長と浦添市社協の久貝宮一会長、ジャパンインテグレーションの新田純也社長=15日、市社協

 【浦添】浦添市社会福祉協議会(久貝宮一会長)は12月からおきでんCplusC(宜野湾市、仲程拓社長)、ジャパンインテグレーション(宜野湾市、新田純也社長)と共同で、子どもの見守りに関する実証実験を始める。市内のひとり親や共働き世帯を中心に15世帯が対象。専用のWi―Fi機器と人工知能(AI)を用い、子どもの活動状況や睡眠時の呼吸状況などをセンサーで検知する。参加世帯には専用のタブレットが配布される。タブレットを通じて、保護者は子どもの帰宅や屋内での様子を確認できる。

 15日に市社協で実証実験に関する協定締結式が行われた。実験は主に、子育て世代が安心して仕事に専念できる環境づくりが目的で、12月から3月までの4カ月間実施する。おきでんCplusCとジャパンインテグレーションが提供するサービスはWi―Fiの電波を用いるため、カメラやマイクを設置する必要はなく、プラバシーにも配慮されている。さらに、AIのディープラーニング(深層学習)を取り入れることでデータを蓄積し、保護者に伝達する情報の精度を高め、見守りの体制を深化させていく。

子どもの見守りをするための専用機器

 締結式で市社協の久貝会長は「今回の実証実験は非常に価値がある。コロナ禍で子どもの見守りに関するニーズがどのようになっているのか実験を通して見極めたい」と話した。

 同様のサービスは高齢者の見守りにも活用されている。おきでんCplusCは、今年8月には沖縄市、宜野湾市、豊見城市と協定を結び、10月から高齢者見守りに関する実証実験を始めている。