衆院選沖縄1区 那覇での得票率が鍵に <最終盤戦いの焦点>


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 衆院選は30日、選挙戦の最終日を迎える。31日の投開票に向けて、各陣営とも支持固めや無党派層の獲得に選挙区内を駆け巡る。名護市辺野古の新基地建設計画や新型コロナウイルス対策などを争点に、各候補者が激しい舌戦を繰り広げる。各区とも辺野古新基地建設に反対する「オール沖縄」候補と、政権与党で公明が推薦する自民候補がせめぎ合う構図で、1区では無所属前職も加えた三つどもえの戦いが展開される。選挙区の戦いのポイントや各陣営の投票率の見立てなどをまとめた。(’21衆院選取材班)

 沖縄1区は共産前職の赤嶺政賢氏、自民前職の国場幸之助氏、無所属前職の下地幹郎氏の前職3氏による保守分裂の三つどもえの選挙戦が展開されている。

 1区は那覇市と本島周辺離島が選挙区。有権者数は約27万人おり、那覇市の有権者が95%超を占める。2017年の前回衆院選の選挙区での投票率は57.36%だった。

 赤嶺陣営は想定投票率を、低下する可能性もあるとしつつ60%に設定する。選挙戦では「オール沖縄」を前面に押し出しつつ、政権批判を強めており、政権を支持しない有権者の取り込みを狙う。渡久地修事務総長は「当選ラインは7万票。前回の6万票から上積みし、8万票の獲得を目標にしたい」とした。

 国場陣営は投票率を55%程度と想定する。所属派閥会長の岸田文雄首相とのつながりを強調し、保守層や企業・団体の票固めを図る。推薦を受ける公明党との連携も強化する。久高友弘選対本部長は「前回(約5万4千票)よりも上乗せし、当選ラインとみている6万票を獲得したい」とした。

 下地陣営は投票率を55~57%程度と想定する。下地氏は企業訪問を重ねるなどして保守層の取り込みに注力する。前回獲得した3万4千票を基礎に、支援を受ける有力企業の集票で上積みを図る戦略だ。當間盛夫選対本部長は「当選ラインは5万票。6万票を目指しつつ、5万5千票は獲得したい」とした。