大規模災害時の精神科拠点指定 県、平安病院と琉球病院に


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災害拠点精神科病院の指定を受けた平安病院の平安明理事長(左から3人目)と琉球病院の福治康秀院長(同4人目)ら=1日、県庁

 大規模災害時に被災地から精神科患者の受け入れなどを担う「災害拠点精神科病院」として、沖縄県は医療法人へいあん平安病院(浦添市)と国立病院機構琉球病院(金武町)の2病院を指定した。県内での指定は初めて。1日に県庁で指定書の交付式が行われた。

 両病院はこれまでも災害派遣精神医療チーム(DPAT)として東日本大震災や熊本地震などに職員を派遣し、支援に携わった。

 新型コロナウイルス感染症では県内の精神科病院のクラスター対応や、ダイヤモンドプリンセス号の乗客、中国・武漢からの帰国者へのメンタルヘルスケア支援で県外に派遣されるなど実績を重ねてきた。

 平安病院の平安明理事長は東日本大震災以来、災害時の体制を県内で構築する必要性を感じてきたといい「琉球病院のほかに、南部圏域にもう一つ(精神科の災害拠点が)ないと医療がもたないと思い、準備してきた」と精神科医療を支える決意を語った。

 琉球病院の福治康秀院長は、DPATがない時代から支援に当たってきたことを振り返り「これまでの経験をしっかりと今後に生かす」と強調した。

 県の大城玲子保健医療部長は、既存の災害拠点病院だけで災害時の対応することは困難だとし、両病院の役割に期待を寄せた。