前原、一回の勢いつながらず 強豪・明豊に初戦コールド負け 高校野球秋季九州大会


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明豊―前原 1回無死一、三塁、左方向に同点となる3点本塁打を放つ前原の目取眞悠月=7日、鹿児島市の鴨池公園野球場(大城直也撮影)

 高校野球の秋季九州大会(第149回九州地区大会)第2日は7日、鹿児島市の鴨池公園野球場などで1回戦5試合を行った。県代表の前原は、今春の選抜大会で準優勝した明豊(大分1位)に4―14の七回コールドで敗れた。投手陣の制球難が大きく響き、2投手で計10四死球。明豊に3本塁打を含む12安打を許し、リードを広げられた。攻撃では、目取眞悠月と島袋優汰の本塁打で得点を稼ぐも、打線がつながらず逆転には至らなかった。

 取られたら、取り返す。前原が身上とするゲームを体現する初回の攻防だった。先発・横田琉空の不調で、前原は初回からピンチを迎える。2死一、二塁で左越えに本塁打され、3点を献上。明豊に流れが傾いたかに思われた。

 だが直後の前原の攻撃。先頭打者から連打でつないで無死一、三塁。3番・目取眞悠月に絶好のチャンスが訪れた。

 「流れを取り返す。思いっきりいく」。狙いを直球に定め、内角低めに入った5球目、思い切り振り抜いた打球は左翼フェンスを越えた。「詰まった感があったけど、うまく(風に)乗った」と歓喜の叫び声を上げ堂々と生還した。ゲームを振り出しに戻し、ベンチも一気に「まだノーアウト。ここから点を取っていこう」と、勢いを取り戻していった。

 しかし二回以降は打線が沈黙。七回の島袋優汰のソロ本塁打で1点を返すのみとなり、完敗だった。

 ここまでバットで貢献してきた新里紹舜主将は「前原らしい野球ができなかった」と、相手投手の緩急ある投球に惑わされ、チャンスを生かせなかったことを反省する。悔しい黒星を糧に「全体的にもっと打率を上げて、チーム課題の守備を鍛えて春、夏に挑みたい」と話した。
 (上江洲真梨子)