沖縄県内の衆院選候補、女性わずか5% 過去18回、政治の共同参画遠く


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 沖縄県内ではこれまで補選を含めて18回の衆院選が実施されたが、立候補者延べ189人のうち、94・7%(延べ179人)は男性で、女性は5・3%(同10人)だった。同じ女性が複数回出る場合もあり、実際に立候補した女性は5人にとどまった。有識者は「候補者選考の時点で女性が立候補しづらい構造だ。それを変えない限り、女性議員は増えない」と指摘した。

 今回の衆院選は、18年に候補者数の男女均等を目指す「政治分野の男女共同参画推進法」が成立、施行されてから初の衆院選だった。全国の候補者1051人のうち、女性は186人で過去最高水準だが、17・7%にとどまった。県内でも候補者11人のうち、女性は島尻安伊子氏1人。全国の当選者でも45人で、前回17年衆院選より2人減った。

 沖縄は日本復帰に先だつ1970年、初めて国政選挙に参加したが、96年まで衆院選候補者は全員男性だった。県選挙管理委員会は、過去の選挙結果をまとめた年報を発行しているが、これまでの衆院選候補者一覧は1ページ丸々、男性の名前が並ぶ。

 2ページ目に掲載された2000年の第42回衆院選で初めて女性が登場する。3区で立候補した社民党の東門美津子氏だ。東門氏はその年に初当選。その後、03年にも九州比例で当選したが、05年には落選した。

 09年に共産党の外間久子氏が1区で立候補したが及ばなかった。

 12年には自民党の比嘉奈津美氏が3区で出馬し初当選。14年は選挙区で及ばなかったが比例で当選し、17年は落選した。比嘉氏は21年10月に参院選比例代表で繰り上げ当選している。

 17年に1区で出馬した幸福実現党の下地玲子氏は落選した。

 19年の3区補選で出馬し落選していた自民の島尻氏は、今年10月31日の衆院選3区で初当選を果たした。
 (明真南斗)