社会

島から出られず、戻れず…軽石で伊江フェリー全便欠航 伊是名・伊平屋は再開

全便欠航が決まり、伊江港の岸壁に接岸したままのフェリー=10日、伊江村(中川廣江通信員撮影)

 【北部】沖縄県本部町の本部港に軽石が大量に漂着している影響で10日、同港と伊江村の伊江港を結ぶ村営フェリーは4往復8便全便が欠航した。村は11日以降の運航について、毎朝の軽石の漂着状況などをみて判断するとしており、先が見通せない状況が続きそうだ。生活路線の全便欠航に、村民からは「本島の病院にも行けず不安だ」などの声が上がっている。

 伊江村によると、10日は前日を上回る量の軽石が本部港に漂着した。「軽石を吸い込み、エンジンが故障する恐れがある」として早朝に全便欠航を決めた。
 
 同日午前、本部港で軽石を見つめていた伊江村の小林勝則さん(56)は「島に帰れなくなった」と困り顔。一部の便が欠航した9日、所用のため日帰りの予定で本島に第1便で渡った。しかし「2便以降は全て欠航」との情報を信じて、一時的に再開した最終便に乗り損ね、やむなく名護市のホテルに宿泊した。10日、改めて訪れた本部港で張り紙を見て全便欠航を知った。「今夜も宿に泊まるしかない。県外出張も控えている。帰れないと困る」と嘆息した。

 伊江村でも住民が困り果てている。同村で民宿を経営する女性(69)は10日、名護市の病院に行く予定だったがキャンセルせざるを得なくなった。「この状態が続くと心配だ」と吐露する。宿泊客もフェリーが欠航するかもしれないと予定を切り上げて帰ってしまった。「欠航が続くと観光への影響が大きくなる」と不安そうに話した。
 岐阜県の実家に戻る予定だったという島袋ひとみさん(55)は「コロナの影響で、2年間会えていない高齢の両親の様子を見に行く予定だった。コロナが再燃したらまた会えなくなるので、早くフェリーが再開してくれたら」と話した。

 本島に出張中の渡久地政雄伊江村議会議長は11日の1便で島に帰る予定だが、いまだに運航再開のめどは立たない。村議会は同日に臨時会を開き、本部港の軽石の早期撤去などを盛り込んだ意見書を採決予定だ。渡久地氏は「欠航したら漁船をチャーターして、必ず帰る」と語った。

給油販売制限、伊是名で解除

 一方、軽石漂着の影響で今帰仁村の運天港から出発するフェリーの欠航や変更などが相次いでいた件で、伊是名港、伊平屋港の両港と運天港間のフェリーは9日から通常運航を再開した。

 運天港に漂着していた軽石が潮の流れの影響で9日から沖に流されて運航に支障がなくなったため。両村の村民からは「再開してほっとした」との声が上がっている。

 これまでフェリー欠航の影響でガソリンが輸送できず、1人2千円(約11リットル)を上限に販売していた伊是名村唯一の給油所、JAおきなわ伊是名SSは9日から通常販売に戻した。同店は販売制限が解除された後、ガソリンを求めて給油に訪れる村民への対応に一時追われた。



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