中華料理の「北京亭」今月で閉店 常連客から惜しむ声 沖縄市・パルミラ通り


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人気メニューの醤油ラーメンを持つ店主の仲本兼和さん=8日、沖縄市中央の中華料理店「北京亭」

 【沖縄】沖縄市中央のコザ・パルミラ通りにある中華料理店「北京亭」が、建物の老朽化に伴い今月30日で閉店する。店舗の移転や店主の引退もありながら、長年にわたりのファンに愛されてきた。常連客からは閉店を惜しむ声が上がっている。

 店主の仲本兼和さん(84)は嘉手納町出身で、63年前にブラジルへ移り住んで農業に従事した。ブラジルで初めて食べた中華料理に感動した仲本さんは帰国後、38歳のときに神奈川県で中華料理を学んだ。4年の修業を経て1979年に沖縄へ戻り、沖縄市照屋で「李白亭」をオープン。中の町社交街(市上地)に移転して人気を集めたが6年前、惜しまれつつ引退した。ファンの熱い要望を受け、現在の店舗で再開し、1人で店を切り盛りしている。

人気メニューの醤油ラーメンと春巻き

 店名が変わったため再開したことを知らない客が多く、常連客の安里静香さん(54)が4月、インスタグラムで紹介すると徐々に客が増えてきた。醤油(しょうゆ)ラーメンやチャーハン、五目焼きそばが人気メニューだ。

 新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言で休業しているときも、料理の研究を続けていたという仲本さん。「お客さんに『おいしい』と言われるのがうれしい。この年齢になっても老いることを想像できない」と意気込み、トレーニングセンターでの体力づくりにも余念がない。

 閉店を惜しむ常連客から、移転して存続を求める声が多く上がっているという。仕込みに時間がかかるため出していなかった「李白亭」時代の人気メニュー、春巻きを、毎日限定数で提供している。営業時間は午後5時~11時。水・日曜日定休。問い合わせは(電話)080(1784)4817。
 (喜納高宏通信員)