「アメリカンビレッジの夜」著者らがオンライントークライブ 県系女性たちが沖縄の諸問題を議論


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ライブで質疑応答をする真理子ミドルトンさん(左上)、エリザベス・ミキ・ブリーナさん(右上)、アケミ・ジョンソンさん(下)

 「アメリカンビレッジの夜―基地の町・沖縄に生きる女たち」の著者アケミ・ジョンソンさん、「Speak Okinawa A Memoir」を書いたエリザベス・ミキ・ブリーナさん(母親は石垣島系で嘉手納町生まれ)のトークライブが10月1日にオンラインで行われた。真理子ミドルトンさん(佐敷町2世)が調整役を務めた。

 3人は日本にルーツがあり、ミドルトンさんとブリーナさんは戦後米軍人と沖縄人女性との間に生まれた米国人という共通点がある。ライブで2人の著者は、それぞれの作品の一部を紹介した。

 ブリーナさんは自身の原点となる沖縄返還後に結婚した、両親の出会いや沖縄の歴史について語った。米国で育ち30代になってから母親の苦労や立ち位置、沖縄の抱える諸問題について気づきがあったという。ジョンソンさんは沖縄の基地問題に関心を持ち、政治利用される二項対立やステレオタイプに疲れ、自分自身で聞き取りを進めることにしたという。

 ミドルトンさんは小学生時代に沖縄で生活をした経験がある。米兵による少女乱暴事件が起きた頃だという。ミドルトンさんも2人の話に共感した様子だった。ライブは80分に及び、米国と日本・沖縄の基地問題やアイデンティティーに関し意見が交わされた。

 トークライブはJAMP(Japanese American Memorial Pilgrimage)と、アメリカ合衆国国立公園局で共催される「TADAIMA」の一環で開催した。コロナ禍で第2次世界大戦中の強制収容所跡の訪問が中止になったため、日系アメリカ人同士の助け合いや話し合い、学びの場を設けることを目的に企画され、今年で2回目を迎える。
 (城間セルソ明秀通信員)