沖縄6税制は24年度まで 自民調査会要望案 航空燃料軽減は不透明


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 【東京】自民党沖縄振興調査会(小渕優子会長)が19日に開かれ、13項目にわたる2022年度の沖縄関係税制改正要望案をまとめた。出席者によると、内閣府が次年度の概算要求で取りまとめた税制要望案を基本的に踏襲した。特区制度など6項目に関し、内閣府要望は期間を2年としていたが、同調査会の要望案は「制度の有効性を確認する」として、期間を24年度までの3年間とした。一方、沖縄路線の航空機燃料税の軽減措置は「所要の措置」との表現にとどめており、軽減措置が適用されるのかは不透明な状況だ。

 要望案は29日に開かれる自民党税制調査会の会合に提出される。今後は党税調の議論を経て、12月初旬に決定する税制改正大綱に盛り込まれるかどうかが焦点となる。

 沖縄振興調査会の要望案で、期間が拡充されたのは「地域・特区制度」の5項目と、離島振興のために設けられた「離島における旅館業用建物などの課税特例」の1項目の延長案。これらの6項目は、内閣府が8月に財務省に提出した税制要望案では、2年延長となっていた。

 沖縄路線の航空機燃料税の軽減措置については、内閣府の原案を踏襲し、「所要の措置」との表現にとどめた。同税制をめぐっては、2050年までのCO2(二酸化炭素)排出実質ゼロを掲げる政府方針との兼ね合いもあり、今後、税調での議論が本格化する見込みだ。関係者によると、政府与党内では、沖縄電力が受けている発電用石炭にかかる石油石炭税の免除措置や一部固定資産税の特例措置について、「政府方針と逆行する」などの意見が複数あるという。

 振興調査会事務局長の宮崎政久衆院議員は「沖縄振興にとって税制は大きな柱だ」と強調し、党税調へ働き掛けを強める考えを示した。その上で、特区制度に関し「従来案の2年延長では制度の効果検証ができない。有効性を確認する観点から3年延長を提案し、了承を受けた」と説明した。

 酒税の軽減措置は、泡盛が10年後、ビールが5年後をめどに段階的に軽減率を引き下げる案が継続され、揮発油税の軽減措置も2年延長を求める方針だ。