石垣市役所の赤瓦を譲渡停止 東京地裁から仮処分


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石垣市役所新庁舎(資料写真)

 【石垣】15日に開庁した石垣市役所新庁舎の建設で施工された赤瓦が、東京地裁から不正競争防止法に基づき商品の譲渡の停止などの仮処分を受けていたことが19日までに分かった。決定は昨年11月6日付で、期間は今年3月30日まで。市の担当者は、仮処分に伴い瓦施工の工期に遅れは出たものの、庁舎建設工事全体には影響がなかったと説明している。

 仮処分申立の債権者は茨城県内の瓦事業者で、債務者は愛知県内の瓦事業者ら3社。東京地裁の判断によると、債権者は庁舎建設を担当した設計事務所に、沖縄の赤瓦を模した試作品を持ち込んだ。一方、工事の施工業者らによる共同企業体(施工JV)は愛知県内の業者に瓦施工を発注した。

 茨城県の業者は、愛知県の業者らが作成した瓦が、自社が作成した瓦を模倣しているなどと主張していた。一方、愛知県の業者らは、瓦の形態は異なっており、実質的に同一とはいえないなどと主張していた。

 関係者によると、この処分内容を踏まえ茨城県内の業者を原告、愛知県内の3業者を被告とした民事訴訟が今月10日に東京地裁に提訴されている。

 新庁舎の赤瓦を巡っては、沖縄県産の赤瓦が使われていないことから、これまでの市議会で議論の対象となっていた。