喜友名「記録は意識していない」絶対王者、師匠超えてもおごりなし 世界選手権4連覇


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世界選手権予選ラウンドで形を打つ喜友名=18日、ドバイ(全空連提供)

 キングがまた一つ歴史を刻んだ。喜友名は男子形で史上初の4連覇。迫力十分の演武と礼節を重んじる所作が感動を呼んだ東京五輪からまだ3カ月余りだが、「さらに進化した空手で勝負したい」と歩みを止めず、金字塔を打ち立てた。

 決勝の形は、五輪決勝と同じ劉衛流の「オーハンダイ」。「持ち味のスピード、強さ、しなやかさを今まで通りに出す」と蹴りや突きを繰り出し、相手に1・72点差をつける圧勝だった。

 中学3年から指導を受ける自身の流派の佐久本嗣男会長は1980年代に3連覇。それを超える偉業を達成し「子どもたちの目標となるような男になってほしい」との師匠の思いに応えた。

 故郷でもある空手発祥の地、沖縄で腕を磨き続ける31歳の王者は言う。「連覇や記録は意識していない。一つ一つが積み重なり、今の結果がある」。おごることなく鍛錬に励み、前だけをにらみ続ける。


 空手の世界選手権は20日、ドバイで個人戦の各種目決勝が行われ、男子形は東京五輪金メダルの喜友名諒(劉衛流龍鳳会)が28・38の高得点で五輪銀メダルのダミアン・キンテロ(スペイン)を下して4連覇を果たした。4連覇は女子形の若井敦子、女子組手60キロ超級(当時)のファンムリク・フース(オランダ)の例がある。女子組手50キロ級で、東京五輪代表の宮原美穂(帝京大職)が2連覇を達成した。女子形は、昨年の全日本選手権を制した大野ひかる(大分市消防局)が五輪金メダルのサンドラ・サンチェス(スペイン)に敗れた。男子組手84キロ級の森優太と、同67キロ級の中野壮一朗(イー・ギャランティ)はともに3位決定戦で勝った。

(共同通信)