沖縄バレエ界を代表する指導者南條喜久子さん(86)が、66年間主宰してきたバレエ研究所を11月30日で後進に引き継ぎ、指導者を引退した。同日、研究所の生徒たち約50人ら関係者がセレモニーを催し南條さんを前に、クラシックバレエの抜粋2演目を披露した。在校生や卒業生から寄せられたメッセージも流され、南條さんは涙をこらえつつ生徒たちや指導者に励ましの言葉を送った。
渡久地姉妹にバトン 涙こらえエール
引退について南條さんは体力的な面や、長年取りかかっていた沖縄洋舞界の歴史をまとめる時間を確保することが理由だという。沖縄市山里にある研究所は、門下生でもあり研究所で指導にあたる渡久地舞子さん(40)、円香さん(36)姉妹が引き継ぎ、来年1月に新しくスタートを切る。
南條さんは1948年、南條みよしさんの首里南條舞踊研究所に入門。55年には愛知県名古屋市南條舞踊学校(南條宏校長)を卒業し、南條喜久子の名取を得て、越来村(現沖縄市)で舞踊研究所を開設した。
研究所での指導の傍ら、沖縄洋舞協会結成や日本バレエ協会沖縄支部の結成に携わるなど沖縄洋舞界の発展に力を注いできた。沖縄をテーマにした創作舞踊も数多く手掛けた。
南條さんは「個性を出してお互いに尊敬し合う指導者でいてほしい」と渡久地姉妹にエールを送った。
(田中芳)