10万円給付、沖縄の市町村はどう対応?現金一括給付も(15日まとめ)


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 18歳以下の子どもへの計10万円相当給付について、浦添市議会と嘉手納町議会は14日の本会議で、年内に10万円を現金で一括給付する補正予算案を全会一致で可決した。中城村も同日、年内の現金一括給付の方針を固め、近く補正予算を専決処分する。岸田文雄首相が13日の衆院予算委員会で現金一括給付を容認する姿勢を示したことを受けた対応で、今後、他の自治体にも「現金一括給付」の動きが広がるとみられる。一方、二転三転する政府の姿勢に自治体職員からは困惑の声も漏れ伝わる。

 浦添市議会が可決した補正予算額は24億1441万円で、対象人数は約2万4千人。市議会には当初、市当局から先行給付の5万円のみの補正予算案が提案されていたが、首相の発言を受け、与野党が一致して給付額を10万円に増額する修正案を提出し、可決した。修正案の可決を受け、市当局は27日の給付に向け調整を始めた。

 嘉手納町議会が可決した補正予算額は2億6730万円で、対象人数は2673人。28日までの給付を目指す。可決を受け、當山宏嘉手納町長は「クーポンだとコストや手間もかかる。現金給付が困窮世帯にとって最善だと考えた」と話した。

 中城村は3581人が対象で、23日の給付を予定する。村議会定例会が閉会しているため、専決処分する。

 10万円給付を巡っては、政府は当初、現金5万円と子育て用品に使えるクーポン5万円分に分けて配る方式を原則としていたが、高額な経費がかかることへの反発や給付の実務を担う自治体からの要望などを受けて方針を転換した。

 政府の姿勢に本島南部自治体の担当者は「国からの通達はなく、報道を見て把握している状況だ。政府は迷走している」と語った。
 (吉田健一まとめ)