全国初、軽石回収に砂利採取船を投入 毎分100トンをポンプで吸引 沖縄・羽地内海


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海上に浮く軽石をポンプで回収する砂利採取運搬船=16日、名護市の羽地内海

 【北部】内閣府沖縄総合事務局は、軽石によって離島航路の運航がストップするなど被害が深刻化している今帰仁村の運天港について、港湾管理者の沖縄県からの要請を受け、施設の一部を管理して軽石対策支援を本格化している。16日には羽地内海への軽石流入と運天港への逆流を防ぐ汚濁防止膜を3カ所に設置。砂利採取運搬船などを活用して、羽地内海での軽石の回収を進めている。

 砂利採取運搬船は、海上をまとまって漂流している軽石を海水ごと回収できるよう改良したもので、全国で初めて運用を開始した。海上を筋状に漂流している軽石は、船でかごを牽引(けんいん)して回収する方法を用いている。先行して6日から作業を開始し、15日までに砂利採取運搬船で2100立方メートル、かご方式で500立方メートルの軽石を回収している。

 汚濁防止膜の設置が完了した16日はせき止められた軽石が羽地内海に大量に漂い、砂利採取運搬船の周辺はさながら陸地のように埋め尽くされた。海上に下ろされた専用ポンプで毎分100トンの軽石交じりの海水が船倉に吸い上げられた。

 沖縄総合事務局開発建設部の石原正豊港湾空港指導官は「県の作業と連携して、運天港の機能確保に取り組みたい」と話した。

 国、県の軽石除去対策が進められていることについて、羽地漁業協同組合の一戸(いちのえ)豊組合長は「海底にもだいぶ沈んでおり、どういう影響が出てくるかまだ分からない。早期に回収が進むとありがたい」と作業の進捗(しんちょく)に期待した。 (友寄隆哉)


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