高校生らを応援、無料の「まちの進路室」 予備校講師の玉城さんの願いと狙いは? 南風原


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「まちの進路室」の取り組みを紹介する玉城陽平さん=6日、南風原町宮城

 【南風原】「非公式南風原町議会アプリ」を作成した南風原町宮城の予備校講師・玉城陽平さん(30)がこのほど、町内の高校生と学び直しを考える社会人向けに「まちの進路室」を始めた。入試制度の説明から高校生の関心や学力状況を踏まえた進路選択の提案、具体的な勉強方法まで予備校講師として培ったノウハウを生かし、何度でも無料で相談に応じる。

 玉城さんは町内で生まれ育ち、京都大学理学部へ進学した。得意教科の数学で教師を目指したが、「高校生のうちに地域の人たちと自分のやりたいことについて話す機会があれば、選択肢は広がったかもしれない」と振り返る。

 公立校の場合、中学までは町が教育支援を提供するが、高校は県の管轄となるため、行政支援に穴があると玉城さんは指摘する。民間レベルの支援が必要だと感じ、進路相談を始めることにした。

 現在は玉城さん一人が相談に応じるが、今後は町出身の大学生や社会人に協力を呼び掛け、高校生の相談に応じてもらうつもりだ。

 進路相談の狙いはもう一つある。地元の先輩と関わる中で地域の課題や魅力を知ってもらい、街作りに地元の人材を巻き込むことだ。南風原町は子育て支援が充実しており、町外から人が集まるが、若い人が地元をよくするために活動できる場がないという。

 玉城さんは「進路相談で選択肢を広げ、地域の課題解決の文脈とつながり、一緒に街を作るような人になってほしい」と願う。「地域に何が必要で自分に何ができるかが分かれば、進学先での学びは充実する。そこまでいけるとゴール」と語った。進路相談は休日午後、町内の公民館などで実施。1回60~90分で時間帯は要相談。予約はhttps://line.me/R/ti/p/%40485iysvcから。

 (比嘉璃子)