南城市長選まで1カ月 現職と前職の一騎打ちの見通し 立候補予定者に聞く


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 【南城】来年1月23日投開票の南城市長選まで23日で残り1カ月となった。現職の瑞慶覧長敏氏(63)=共産、社民、社大、にぬふぁぶし推薦=と、前職の古謝景春氏(66)=自民、公明推薦=の2人が既に立候補を表明しており、一騎打ちとなる見通しだ。争点になるとみられる現市政の評価や経済、子育て政策などについて聞いた。

(聞き手 金城実倫)

 

記者の質問に答える瑞慶覧長敏氏=21日、南城市大里仲間の事務所

瑞慶覧長敏氏 市独自の留学制度

 ―出馬を決めた理由は。
 「前回、『市民の声でまちづくり』を掲げて当選したが、コロナ禍の2年間は市民と触れ合う機会が少なかった。2期目ではしっかりと声を聞いて市政を運営したい」

 ―1期目の評価は。
 「『南城市こどものまち宣言』や就学援助の拡充などができた一方、コロナや、就任後8カ月間は副市長、教育長が不在だったため、達成できないものもあった。2期目は全力で取り組みたい」

 ―重視する政策は。
 「市独自で海外の長期留学制度を創設したい。海外で新しいアイデアや価値観を学び、吸収してまちづくりに貢献できる人材を育てたい。保育士の処遇改善や待機児童ゼロを目指し、『パートナーシップ宣誓制度』の創設にも取り組みたい」

 ―経済政策は。
 「農業振興地域の見直しによって、企業を誘致できる素地ができた。大規模集客施設など、多くの企業を誘致して財源を生み出し、雇用創出や市民所得の向上につなげたい。スマート農業など新しい技術を取り入れた第1次産業や体験型観光にも力を入れていきたい」

 ―コロナ、軽石対策は。
 「国や県と連携してコロナワクチンの接種を続けていく。市民や事業者の声を聞いて、アイデアを出しながら支援策も実施していく。軽石対策では久高島の生活航路の保持や漁業従事者の支援もしっかり行っていく」

 ―市民に訴えたいことは。
 「南城市は人材の宝庫。環境問題や人権など、時代の変化に対応したまちづくりを市民と一緒に取り組み、南城市をさらに発展させたい

 

記者の質問に答える古謝景春氏=15日、南城市佐敷新開の事務所

古謝景春氏 多目的ドーム整備

 ―出馬を決めた理由は。
 「市民から『古謝さん、もう一度頑張ってほしい』『地域を元気にしてほしい』との声をいただいた。市民のために尽くしたいと思った」

 ―現市政の評価は。
 「下水道や市道の整備が遅れ、市民重視の行政運営が機能していないと感じる。社会資本整備が遅れると、人も企業も来ない。現状を変えたい」

 ―重視する政策は。
 「子育て政策だ。発達障がいや多動性障がいなど、心のケアが必要な子どもが増えている。市役所に『子ども課』を設置して、専門の支援員を増やすなど、子育て支援に力を入れたい。防災拠点としても活用できる多目的ドームを整備して、プロ野球球団の誘致による地域活性化を図りたい」

 ―経済政策は。
 「整備中の南部東道路周辺を活用して企業を誘致し、若い世代が働き、定住できるようにしたい。そのために社会資本整備や5Gの整備を進めて、雇用と税収を生み出す環境を作っていく。各市町村と連携して、第1次産業や観光産業も底上げしていきたい」

 ―コロナ、軽石対策は。
 「将来的なコロナワクチンの有償化に備え、市の予算でワクチン接種の無償化を継続できるようにしたい。事業者支援なども積極的に行っていく。軽石対策も県や国任せではなく、市独自で敏感に対応していく」

 ―市民に訴えたいことは。
 「行政の役割をしっかりと見定め、市民の安全、安心を確保しながら暮らしを豊かにする。全ての世代が夢と希望にあふれ、生きがいが持てる南城市にしたい」