漂着軽石で人工漁礁 与那原・西原町漁協実験 年度内で中城湾港沖に設置


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完成した「軽石BMXブロック」=25日、与那原町の当添漁港(提供)

 与那原・西原町漁業協同組合(当真聡組合長)は、管理する当添漁港(与那原町)に漂着した軽石からコンクリートを製造し、人工漁礁や建築資材として再利用する実証実験に取り組んでいる。その第1弾として25日、同漁港にレミックマルハチ社(岐阜県)が販売する攪拌(かくはん)機が持ち込まれ、「軽石BMXブロック」を製造した。

 漂着した軽石の処理方法は全国各地で課題となっている。同漁協の瀬底博也参事は「回収後の処理費は膨大になる可能性がある。国や県にも環境資源型の再利用法を提案したい」と述べた。

 当添漁港には10月末から大量の軽石が漂着し、漁協組合員を中心に撤去作業を実施してきた。県内の状況を知ったレミックマルハチ社が同漁協に提案し、軽石を使ったコンクリートブロックの製造実験が実現した。

BMXミキサーに回収した軽石を投入する漁協関係者ら=25日、与那原町の当添漁港(提供)

 同社が販売する攪拌機「BMXミキサー」は、小型重機に接続して使えるため、ポンプ車などが入れない狭い場所でも、コンクリートを製造することできる。

 25日は軽石と水、モルタルを機械に投入し、全長1メートル60センチ、重量1・6トンのコンクリートブロック6個を製造した。漁礁として活用できるかを検証するため、同漁協は2022年3月末までに中城湾港の与那原側沖合海底に設置する考えだ。

 瀬底参事は、当添漁港周辺ではさまざまな要因が重なり、約20年前から魚が減少傾向にあると指摘。「実証実験が成功すれば、沖合に軽石ブロックを投入して人工漁礁を造り、魚の産卵場所を創出したい」と述べた。

(当銘千絵)