「公約、9割超着手済み」 城間那覇市長・新春インタビュー、コロナ後見据え始動、一丸となり日常・活況回復へ


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2022年の抱負を語る城間幹子那覇市長=那覇市役所(喜瀨守昭撮影)

【那覇】城間幹子那覇市長はこのほど、琉球新報の新春インタビューに応じた。公約の進ちょくについて「9割以上は着手できた。自分では合格点をつけたい」と述べた。3期目への出馬については明言を避けた。アフターコロナを見据えた中小企業振興のため、経営実態調査を実施していることなどを説明し「日常と活況を取り戻すために2022年も一丸となっていく」と語った。

 ―21年を振り返って。

「新型コロナウイルス感染拡大が印象に残る。市民には引き続き感染防止への協力をお願いしたい。21年は市制100周年を迎え、風格ある県都那覇市を示すことができた。那覇文化芸術劇場なはーとが開館し、芸術の力によるさまざまな催しが展開された。22年もコロナが市民生活や地域経済に及ぼす影響、課題にしっかりと取り組む」

 ―公約の進ちょくは。

「待機児童ゼロに向けてハード面の整備を第一に取り組んできた。16年度は86施設・定員約8千人だったが、21年度は157施設・定員約1万2千人に増えた。16年4月の待機児童は559人だったが、21年同月では37人に減った。保育士確保については(県外からの)就職活動の渡航費支援などに取り組んでいる」

「新真和志支所などが入居する複合施設の建設については、21年3月に基本計画を策定した。22年度は(設計、建設、維持管理について)連携する事業者の公募を予定している。地域づくりの核となる校区まちづくり協議会は36校区中、13校区で立ち上がり、2校区で準備会が設立されている。コロナ下でも少しずつ進んでいる。まちづくり協議会が高齢者のワクチン接種手続きを支援する活動もあった。公約のうち9割以上は着手している。自分では合格点をつけたい」

 ―3期目への意欲は。

「3期目への期待も『引いてもいいのでは』という声も、いろいろな声をいただいている。ぶれが大きいので、現段階で私の口から発することはない。判断の時期は諸先輩方に相談したい」

 ―今後のコロナ対策は。

「那覇市保健所の積極的疫学調査の人員を拠出するため、全庁的に取り組んできた。第6波にもしっかり対応できると思う。必要な病床や宿泊療養施設は県が確保するが、市も協力していく。一般市民向けの3回目のワクチン接種は2月から始める予定だ。経済対策については、アフターコロナを見据えた中小企業振興施策を立案するため、経営実態調査を実施中だ。観光分野に関しては21年11月にコロナ期観光回復戦略を策定した。命を守る、経済をつなぐ、日常をつくるという方針の下に取り組んでいく」

 ―新たな沖縄振興計画が始まるが、これまでの評価や、那覇市として今後取り組みたいことは。

「過去の沖縄振興計画で社会資本が整備され、経済振興に大きく寄与した。12年に一括交付金制度ができたことで地域の課題に応じてきめ細やかな施策が展開できるようになり、文化、福祉、教育分野でも大きな成果があった。一括交付金が減額されているのは残念だが、特定事業推進費なども活用していく。那覇市としてはポテンシャルが高い那覇軍港の返還跡地を今後の沖縄振興に生かしていきたい。跡地利用を地権者の方々と一緒に進めたい」
(聞き手 伊佐尚記)