うちなーぐち、舞台で豊かに 「なはーと」で受講者ら30人、朗読劇や芝居


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最後にテーマ曲を歌う講座の参加者=那覇市久茂地の那覇文化芸術劇場なはーと

 【那覇】2021年度うちなーぐち講座成果公演(主催・那覇市、実施団体・市文化協会)がこのほど、同市久茂地の那覇文化芸術劇場なはーとで開催された。本年度は民話に着目し、「黄金の瓜種」を首里言葉の朗読劇、「火正月の話」を那覇言葉の沖縄芝居に仕立てて披露した。

 「火正月の話」は親切な老夫婦が不思議な旅人を家に泊め、お礼に若返らせてもらうという物語。若返った夫婦を子どもたちが元気に演じた。一方、意地悪な金持ちは旅人に冷たく接し、報いを受ける。

 司会が「銭ぬあぐとぅんでぃいち、はなふらちぇーならん(お金があるからと言って威張ってはいけない)」と言うと、子どもたちが「いったーん、ちにちきりよー(あなたたちも気を付けなさいよ)」と合いの手を入れ、笑いを誘った。最後は全員で講座のテーマ曲を歌った。

 講座には8歳から80歳までの約30人が参加し、10月から約2カ月間学んできた。市文化協会の崎山律子会長は「民話には普遍性があり、大事なことを教えてくれる。民話を共有し、豊かなうちなーぐちを残していけたらいい」と話した。
 (伊佐尚記)