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毎月の計を立てる 自分を見つめる時間に<伊是名夏子 100センチの視界から>113


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
今年もよろしくお願いします。

 明けましておめでとうございます。一年の計は元旦にあり、とも言われますが、私は毎月新月の日に、自分のやりたいこと、叶えたいことをノートに書いています。スピリチュアルなことをあまり信じていないのですが、友だちからすすめられ、一つでも多くのことを書くといいよと言われたので始めてみたのです。先月と同じことを願うこともあれば、全く違ったことを思うこともあります。

 1年前「変わっていきたい、新しい出会いがほしい、安心できる仲間がほしい」と書いていたら、JRの乗車拒否の一件で、炎上の被害に遭いました。苦しかったのですが、多くの学びがあり、オンラインハラスメントをなくすための活動を始めることになり、新たな仲間ができました。この1年、毎月願い続けているコロナの終息はかないませんが、あと一つの願いである、家族みんなが元気に過ごせることはできています。やってみたかった新しい仕事を依頼されたり、なかなか解決しなかったことに新しい流れができたり、予想もしなかった展開があります。

 1年間、書き続けてみて思うのが、叶うか叶わないか、ではなく、自分は何がしたいのだろう、何を求めているのだろう、自分の幸せって何なのだろうと、毎月自分を見つめる時間を設けられているのがいいことなのだと気づいたのです。苦しいことがあっても、「子どもの幸せを大切にしたい」と、普段は意識することのない、自分の想いに気づいたり、やりたいことを考えるだけで、気持ちが明るくなります。1年前に書いたことを見返して、自分の変化を感じて、嬉しくなることもあります。

 新月の日を忘れがちなので、スケジュールに書き、当日には友だちと「今日は新月だよ」と連絡を取り合います。一緒にやる仲間がいるおかげもあり、どうにか毎月続けられています。

 やりたいことを思い描いても、現実的に考えて無理だよね、と諦めてしまうことも多いでしょう。しかし希望を語らなければ、それが形になることもありません。夢見がちかな、無理だよね、と思うことがあっても、またまわりから否定的な言葉を言われても、まずは思い描くことから。そしてそれを誰かに伝えることで、仲間ができ、実現するかもしれません。変化が激しいコロナ禍だからこそ、理想を形にするための一歩を踏み出す年にしませんか?今年もよろしくお願いします。


 いぜな・なつこ 1982年那覇市生まれ。コラムニスト。骨形成不全症のため車いすで生活しながら2人の子育てに奮闘中。現在は神奈川県在住。