台湾にベジタリアン200万人!沖縄の伝統料理が好評 野菜と島豆腐でホッと一息<台湾最強!彭國豪の沖縄発見>4


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スーパーで買った焼き肉。民泊ならスーパーで買った和牛をリーズナブルに楽しめる(彭國豪さんのFBから)

台湾で「素食」と書かれた看板を見掛けた方も多いだろう。大衆食堂だったり高級レストランだったりとさまざまだが、いずれもベジタリアン用の精進料理を出す専門店だ。実は台湾には200万人を超すベジタリアンが存在する。人口の約1割と非常に多い。敬虔(けいけん)な仏教徒が肉を食べないというのが主な理由だが、近年の健康志向の高まりもあり、増加の一途をたどっている。

「肉は食べるが牛肉は口にしない」という人もいる。かつて牛が農耕の重要な労働力だったことに感謝し、自らを戒めたもので、お年寄りに多いが、共感して食べない若者もいる。中華料理というと「ガッツリ肉」「脂っこい」というイメージもあるが、普段の食事は案外あっさりしていて、野菜や豆腐が欠かせないのだ。

中国語のメニューがある店も多い(彭國豪さんのFBから)

以前沖縄の焼き肉店にメニューに関するアドバイスを求められたことがある。和牛は台湾でも大変な人気で、「沖縄では本場の和牛を食べよう」と勇んで店を訪れる観光客も多いが、店主に「シーフードメニューがほしい」と助言したのにはこの背景がある。自分で食材が選べるバイキング形式の食べ放題もおススメだ。

野菜をたくさん食べたいご年配には沖縄の伝統料理が好評だ。日本の外食では貴重なたっぷりの野菜と滋味深い島豆腐がありがたい。親子三代で沖縄を訪れ、遊び疲れた夜は沖縄料理でホッと一息。子どもたちが寝静まったら、両親に子どもを託して若い夫婦は焼肉デートに出掛ける。そんなささやかな幸せを味わえる時間も沖縄旅行の楽しみだ。

(口述・沖縄彭大家族 彭國豪、翻訳と構成・渡邉ゆきこ、第1・3火曜日掲載)