ガジュマルの下「世代超えた交流の場に」 SDGsがじゅまる通り会がライトアップ


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
ライトアップされた幸地川沿いの歩道=1月28日、名護市大東

 【名護】ライトアップされた歩道からガジュマルを楽しもう―。名護市の国指定天然記念物「ひんぷんガジュマル」周辺の店舗などが中心となり、昨年11月に発足した「SDGsがじゅまる通り会」(東江司会長)が、ひんぷんガジュマルを見渡せる幸地川沿いの一部にイルミネーションを施している。東江さんは「世代を超えた交流の場になれば」と期待する。

 名護市大東のひんぷんガジュマル周辺の小規模事業主らが模合の場で「地域を盛り上げよう」と新たに通り会を立ち上げた。SDGsの理念にある「誰一人取り残さない」「持続可能な未来」の地域単位での実現も目指し、子どもたちの居場所づくりや美化活動などにも取り組む考えだ。

SDGsがじゅまる通り会の会長を務める東江司さん=1月31日、名護市大東

 ひんぷんガジュマルとその周辺は名護市観光協会が「幸せの散歩道」として紹介。開運祈願のひんぷんガジュマル、名護市名木に指定されている「めおとデイゴ」は縁結び祈願、恋愛成就祈願には幹にハートの穴が開いた桜の木などがあり、イルミネーションを楽しみながらパワースポット巡りもできる。

 昨年末からクリスマスや成人式に合わせて一定期間、店舗前や橋の欄干など約50メートルにわたって設置したLEDの電球などを点灯してきた。地域の人たちが店舗前に設置されたテーブルで新鮮なオリオンビールを飲みながら、ひんぷんガジュマルを堪能しつつ、会話を楽しんでいる。

 1日から施されたイルミネーションは、プロ野球日本ハムの春季キャンプ歓迎の意味も込め、28日まで続ける。

 東江さんが営む駄菓子屋には、地域の子どもたちが立ち寄ることも。店舗前の座席に座った高齢者が子どもたちに駄菓子をおごりながら学校生活の様子を聞くなど、ガジュマルの前で世代を超えた交流の輪が広がりつつあるという。

 東江さんは「コロナ禍で人通りも少なくなったが、感染対策をしながら交流を続けたい。さまざまな団体や企業を巻き込みながら、将来的には幸地川から名護漁港までライトアップできれば」と夢を語った。
 (松堂秀樹)