ふるさとの味、忘れない 卒業で島を離れる中学生、特産の伊江島牛を堪能


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伊江島牛のサイコロステーキを堪能し、笑顔を見せる生徒たち=9日、伊江村農村環境改善センターホール

 【伊江】今年3月に高校進学のため島を離れる生徒たちに、ふるさとの味に愛着を持って受験に向けて励んでもらおうと9日、伊江村農村環境改善センターホールで伊江中学校の3年生31人や教職員らに、給食で伊江島牛のサイコロステーキが振る舞われた。

 地産地消による「島の産業ふれあいプロジェクト」として「肉の日(2月9日)」に合わせて毎年開催しており、今回で7回目を数える。

 プロジェクトには、本島中南部在住の村出身者らで構成する伊江島会(知念富信会長)から毎回10万円が寄せられている。村教育委員会やJAおきなわ伊江支店が協力し、伊江島牛のもも肉8キロが準備され、肉に添えられるニンジンやジャガイモは、村内で収穫されたものを調理した。

 おなかを空かせた生徒たちは、普段口にできない最高A5ランクの肉を頬張り、「うまい!」「柔らかくておいしい」と堪能、笑顔が広がった。

 生徒は「今まで食べた肉の中で一番おいしかった。伊江島牛をいただいたことに感謝し、残り少ない島での生活を楽しみ、全員合格できるよう頑張りたい」と感想を述べた。

 同校は伊江島牛の給食のほか、弁当の日や魚料理教室など、教育と地産地消を結び付けた村ぐるみの取り組みが高く評価され、2021年度地産地消等優良活動表彰(全国地産地消推進協議会主催)の教育関係部門で文部科学大臣賞を受賞した。

 (金城幸人通信員)