災害時、地域とどう連携する?まちづくり、校区越えた協働 那覇市民が意見交換


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2021年度校区まちづくり協議会意見交換会の参加者ら=4日(那覇市市民文化部まちづくり協働推進課提供)

 【那覇】那覇市が主催する2021年度校区まちづくり協議会意見交換会が4日、オンラインで開催された。那覇市の新型コロナウイルス感染症対応市民活動チャレンジ助成を受けた2団体の事業紹介や、市内四つの校区まちづくり協議会の活動報告があり、災害時の校区を越えた地域連携の重要性などを紹介した。

 事業紹介では、一般社団法人災害プラットフォームおきなわの稲垣暁共同代表が登壇した。曙小、銘苅小、石嶺小の三つの校区まちづくり協議会が連携して行う調査事業「防災なはまち・うみやま連携」について紹介した。稲垣さんは、東日本大震災や阪神大震災で海側・街側・山側が相互関係を持ち支援を行った事例を挙げた。その上で那覇市内の安謝川水系と県道82号でつながる海側を曙地区、街側を銘苅・新都心地区、山側を石嶺地区とした。地図や地形、人口、図書資料などさまざまなデータから浮き彫りになった地域の個性や防災リスク(課題)、リソース(資源)などについて解説した。コロナ下の災害避難所について曙小学校で実施したフィールドワークについても紹介した。地域住民が学校と調整しながら協働して避難所を開設するのが現実的であることを説いた。

 稲垣さんは「安謝川水系にある三つの校区まちづくり協議会が平時からつながり、提供可能な支援を交換し合う越境連携がポイントだ」と強調した。3校区の協議会メンバーが地域を視察するまち歩きを実施したことも紹介された。

 那覇市大名小学校区まちづくり協議会の稲嶺安洋会長は「那覇市校区まちづくり協議会による高齢者ワクチン接種支援プロジェクト(『近所で近助』プロジェクト)」と題して事業を紹介した。

 昨年実施されたワクチン接種予約で高齢者のサポートを行った経緯や那覇市内11校区の協議会、行政、複数の団体らの協働の取り組みを語った。 (中川廣江通信員)