先住民族権利求め25年 那覇でシンポ 国連活動振り返る


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琉球先住民族ネットワーク会議の松島泰勝龍谷大教授(右端)の講演に耳を傾け、琉球先住民族について考える参加者ら=23日、那覇市の県立博物館・美術館

 琉球先住民族ネットワーク会議は23日、県立博物館・美術館講座室で、シンポジウム「琉球先住民族でぃ言せー何やいびーが?一緒(まじゅん)、習てぃんだな!!~みんなで学ぼう!世界の先住民族と国連のあゆみ~」を開いた。同会の松島泰勝龍谷大教授ら計12人が講演、リレートークした。

 松島教授は「なぜ、私は琉球先住民族として国連に行き、何をしてきたのか」と題し、先住民族としての権利を求めて国連で活動してきた25年を振り返った。先住民族は、独自の文化があり、植民地支配された人々が「先住民族」だと自覚することで定義されると説明。今年は日本に復帰して50年となるが「50年前に日本の一部になったようだが、米軍基地は今も造られようとしている。まさに植民地だ」と批判。現状を打開するためにも琉球民族だと自覚して「自己決定権を持つしかない」と強調した。

 琉球弧の先住民族会の渡名喜守太さんは、国連の「沖縄人は先住民族」とする日本政府への勧告に対し、地方議会などで勧告撤回を求める意見書や陳情が出ていることについて「保守系だけでなく、リベラルにも同じようなことを言う人がいる」と指摘した。

(仲村良太)