県民投票から3年、復帰50年…若者ら「音楽祭」で考える沖縄の今


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沖縄の観光について意見を交わす(左から)島袋寛之さん、元山仁士郎さん、石垣綾音さん=24日、那覇市のG―Shelter

 米軍普天間飛行場移設に伴う、名護市辺野古の埋め立ての賛否を問う県民投票から3年が経過した24日、県民投票の実現で中心的役割を果たした大学院生の元山仁士郎さん(30)ら若手世代が「2・24音楽祭~Redefining the 5・15~ 復帰50年 沖縄の現在地」を、オンラインで開催した。沖縄関係の研究者や音楽家ら多彩なゲストが出演し、県民投票や復帰50年をライブやトークを通して考えた。

 「政治・経済・観光」を通したトークには、大阪教育大の櫻澤誠准教授が出演し、基幹産業となっている観光の歴史を振り返った。櫻澤氏は沖縄側の振興計画が製造業と観光業の2本立てでありながら、製造業が十分に伸びず、想定とは異なる形で観光業主体の産業構造になったことを指摘した。

 参加者は沖縄戦や米軍基地など沖縄が持つ歴史や現状と、観光客にある海のイメージが非対称性を持って並立する現状などについて意見を交わした。

 貧困や基地問題をテーマにした議論もあったほか、多彩なライブも披露された。
 (稲福政俊)