夜間と早朝の飛行年1000回超…嘉手納基地、外来機も常態化 訴訟団が結成総会


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米軍嘉手納基地で夜間訓練を行うF15戦闘機=2021年8月16日午後(読者提供)

 【中部】米軍嘉手納基地で、午後10時から午前6時までの夜間早朝の航空機の離着陸が過去5年間で毎年千回を超えていることが、沖縄防衛局の目視調査で分かった。2017年4月~21年11月の離着陸数で最も多かったのは21年の1650回で、月平均150回に及ぶ。最も少なかった20年でも1182回で月平均は98回になる。1996年に日米合同委員会で合意された、午後10時から翌朝6時の夜間・早朝の飛行制限を盛り込む航空機騒音規制措置(騒音防止協定)が十分に機能せず、ほごにされている事態が続いている。

 国内の航空機騒音訴訟で最多の3万5千を超える周辺住民が夜間・早朝の飛行差し止めなどを国に求める第4次嘉手納爆音訴訟が1月に提訴され、原告団結成総会が27日に開かれる。

 夜間早朝の離着陸数は17年が4~12月で1253回、18年が1564回、19年が1220回だった。

 11カ月間で1600回を超える航空機の離着陸が確認されている21年は、8月に最も多い217回が確認され、次いで6月が178回、11月が165回だった。常駐機のMC130J特殊作戦機やP8A輸送機のほか、外来機の飛来も常態化している。過去5年間で最も少ない20年3月でも46回の離着陸が確認されている。

 県や嘉手納町などは騒音防止協定を順守するよう米軍側に要請を続けているが、改善されていない。町議会は嘉手納基地の航空機の騒音が深夜・未明を含めて激化しているとして、9日に沖縄防衛局に抗議している。

 (新垣若菜)