「屋良建議書を踏まえて」 沖縄復帰50年発信、玉城知事に識者が意見


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 玉城デニー知事は27日、沖縄の日本復帰50年の節目となる5月以降に発信する建議か宣言の在り方を検討するために、県庁に有識者8人を招いて非公開で意見を交換した。50年前に琉球政府の屋良朝苗主席(当時)が日本政府に示した「復帰措置に関する建議書」(屋良建議書)を踏まえ、現県政としての対応について意見を募った。出席者によると「屋良建議書の精神を踏まえて発信してほしい」などと意見が上がった。

 会合後、玉城知事は「生まれた時には既に復帰している世代がこれからの責任世代になる。未来に希望がある建議・宣言にしたい」と語った。玉城知事は委員らの意見などを参考に、建議か宣言にするか決め、内容も盛り込む。

 仲地清氏(名桜大名誉教授)、前泊博盛氏(沖縄国際大教授)、山本章子氏(琉球大准教授)、野添文彬氏(沖縄国際大准教授)、大城貴代子氏(おきなわ女性財団理事長)、吉元政矩氏(元副知事)、平良亀之助氏(元琉球政府職員)から意見を聴いた。

 会合後、屋良建議書の策定に携わった平良氏は「屋良建議書の精神を引き継いで50年後の子孫にその精神を伝えるのは非常に重大だ」と意見したと明かした。

 屋良建議書は県民福祉を最優先に考える基本原則に立って、(1)地方自治権の確立(2)反戦平和の理念を貫く(3)基本的人権の確立(4)県民本意の経済開発―などを骨組みとする新生沖縄像を掲げた。県はこれら四つの理念に基づいて有識者を選定し意見を聞く。

 3月5日にも別の委員ら8人を招き意見交換会を開催する。(梅田正覚)