高校生タブレット「家計に大打撃」「手厚い助成を」 約3万円負担、保護者ら困惑


社会
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 県立高校新入学生から学習端末を自費購入することが決まった。保護者からは「家計が厳しい」「当たり前の出費とされることに納得できない」など不満の声が上がる。

 那覇市内の高校を受験した息子がいる母親(44)は「1人1台を使う環境は中学卒業後も継続して、もっと発展的な勉強ができるようになってほしい。でも突然自費購入を迫られるのは困る。数万円の出費は家計に大打撃だ」と困惑した。制服など、入学時は出費がかさむだけに「納得がいかない」と話す。

 息子が南部の高校に入学予定の母親(49)は「これまで学級閉鎖があった時、端末を持ち帰って勉強をしている姿を見たことがない。GIGAスクールがうまくいっていたとは思えない。課題を解決してから進めるべきではないか」と疑問を示した。

 住民税非課税世帯など低所得世帯に端末貸与があることについては「周りの生徒たちに気付かれて子どもが惨めな思いをするのではないか。義務教育でないとはいえ、3万円の出費が全家庭で当たり前にできるわけではない」と話し、公費での負担を訴えた。

 子どもがコザ高に入学予定の父親(45)は「(今年同校を)卒業する子どもは、既に端末を使った学習を学校が進めていた。成績や学校からの連絡も把握しやすくて、学習以外の面でもよかった」と話し、学習端末を使った学びの継続に賛成した。ただ「高校からは児童手当がなくなる。助成をもっと手厚くしてほしい」と求めた。

 琉球大学教育学部の岡本牧子准教授(技術教育)は「県内でも一部の高校は、先駆的に取り組みを進めてきた。自分の学習記録を蓄積でき、授業も個別学習もさらに発展的な学習ができる」とGIGAスクール構想継続の意義を語った。
 (嘉数陽)