戦争体験者「指導者は対話で解決を」 ウクライナ侵攻に抗議 那覇の集会参加


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「ウクライナに平和を」の旗を掲げ、戦争への反対を訴える宮城涼子さん=15日、那覇市の県民広場

 ロシアのウクライナへの軍事侵攻に抗議する集会が15日、那覇市の県民広場で開かれ、太平洋戦争の体験者も参加した。フィリピンのダバオで弟や妹を亡くした宮城涼子さん(86)は「現地の映像を見ると、戦争中の痛みが噴き上がってくる」と語り、戦争反対を訴えた。

 宮城さんの両親は大宜味村出身で、出稼ぎ先のダバオで結婚。宮城さんときょうだいはダバオで生まれた。戦争で一家は近隣の住民と山岳地帯に避難し、両親が食糧調達で外出していた間に、声を立てた幼い弟と妹ら3人は、住民の間に隠れていた日本兵に殺されたという。「戦争は敵味方を選ばない。子どもや市民が犠牲になる」と話す。

 戦後、横須賀を経て大宜味村へ引き揚げたが、祖父母や親戚は全員、沖縄戦で亡くなっていた。「戦争は命のつながりやお互いのつながりを断ち切ってしまう」と強調する。結婚せず、「生涯をかけて、亡くなった弟や妹のために何かしなければならない」と修道院に入る道を選び、平和活動を続けている。

 15日、集会で宮城さんは「戦争をしてはならない。指導者は対話で解決していくことをしていかなければいけない」と訴えた。

 集会は遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の具志堅隆松代表、島ぐるみ宗教者の会、沖縄平和市民連絡会などが開き、沖縄戦の平和ガイドら約30人が参加した。
 (中村万里子)