沖縄ラグビー向上へ尽力 B級トップレフェリー、田仲さんと渡嘉敷さん


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(左から)2月から名護高ラグビー部監督を務めるB級トップレフェリーの田仲祐矢さん=名護高校。ラグビーの全国高校選抜大会に派遣されるB級トップレフェリーの渡嘉敷通大さん=宜野湾高校

 宜野湾高教諭の渡嘉敷通大さん(34)=読谷村出身、名護高教諭の田仲祐矢さん(33)=名護出身=がラグビーのB級トップレフェリーとして研さんを積み、競技力向上に尽力している。共に学校で保健体育を教え、放課後は部活で指導する。渡嘉敷さんは九州協会からの推薦で24日開幕の全国高校選抜大会(埼玉)へ派遣され、25、26日の試合で主審を務める。「レベルの高い試合で笛を吹かせてもらえるのでありがたい」と意気込む。田仲さんは昨年末開幕の101回全国高校大会(花園)で主審として笛を吹いた。1回戦の目黒学院(東京)と山形中央の試合でピッチに立ち「緊張もあったが、いつも通りにできた」と振り返った。

 B級資格者の中でも、B級トップは九州で12枠しかない。日本協会公認のA級取得も目指す2人は、選手としてラグビー漬けの青春時代を過ごし、競技への情熱を今も燃やし続けている。「県内でレフェリーの技術が上がらないと競技力も向上しない。県外での経験を持ち帰り、沖縄に還元することが必要」と声をそろえる。一番大事にしていることは「選手たちのプレーの持ち味を出してあげること」と共通の思いでピッチに立ち、選手たちのプレーに熱い視線を送る。

 渡嘉敷さんは高校時代、読谷でラグビーに明け暮れた。今の目標はラグビーの日本トップリーグ「リーグ1」で笛を吹くこと。そのためにはA級資格が必要になる。「審判は年齢的に40歳ぐらいがピーク。時間との勝負になる」と表情を引き締める。

 経験を積むため、毎年7月に行われる奈良県の御所ラグビーフェスに自費で参加し、「レベルの高いゲームで目を慣れさせ、スピードについていけるように」と研さんを積む。「なるべくプレーを途切れさないよう、流れを切らないように意識している。見ている人、プレーする選手が楽しむことが一番。反則を未然に防ぐための声掛けが大事」と語る。指導する宜野湾高の部員は5人。大会には首里、首里東と合同で出場している。

 田仲さんは2006年、名護高3年の時に全国大会(花園)に主将として出場し、ベスト16入りを果たした。

 審判について「ラグビー自体は激しい接触が多く、危険なプレーでけが人が出ないことを第一に、安全確保が常に頭にある」と語る。「常に瞬時の判断が求められるし、言うことを聞かない選手もいる中でコミュニケーションの取り方も大事になる」と言う。名護高に赴任して丸2年となり、2月からは約30人いるラグビー部監督を任されている。選手たちと同じグラウンドに立ち、これまで培ってきた経験を伝えている。
 (大城三太)