拾ったヤシの実、まるで人の顔 「いろんな表情で面白い」 沖縄・南城市の海岸に漂着


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顔のような形をしたヤシの実を手にする比嘉一廣さん=3月15日、南城市つきしろ

 【南城】ヤシの実に顔―。南城市つきしろの比嘉一廣さん(73)の自宅の庭に、人間の顔のような形をしたヤシの実が並んでいる。比嘉さんによると、市内の海岸に漂着したヤシの実で「よく見ると、目と鼻と口があるのでびっくりした」と笑う。

 ヤシの実は3年前から同市玉城奥武島や知念志喜屋の海岸を歩いて、見つけては集めているという。「並べてみると、いろんな表情をしていて面白い」と話す。

 ヤシの実を置いたかごには「気仙沼魚市場」と記されており、2014年ごろに志喜屋漁港の近くの海岸で見つけた。このかごは県内各地で漂着している。比嘉さんは「東日本大震災の津波によって流され、沖縄にたどり着いたのだと思う。かごの上にヤシの実を並べると、津波で犠牲になられた方々の魂が笑顔となって現れたように感じる」と被災者に思いをはせた。
 (金城実倫)