有害PFAS含む水「子どもに飲ませるわけにはいかない」 宜野湾での抗議集会に400人


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住民の血液検査や疫学調査などを求める請願書を読み上げる、PFAS市民連絡会の町田直美共同代表=10日、宜野湾市民会館

 【宜野湾】子、孫に有害物質が含む水を飲ませるわけにはいかない―。「清(ちゅ)ら水(みじ)を取り戻そう!有機フッ素化合物(PFAS)汚染からいのちを守る県民集会」(同連絡会主催)が10日、宜野湾市民会館で開かれた。同日は、米軍普天間飛行場からPFASを含む、泡消火剤が流出した事故から2年に当たる。集会には442人が参加し、健康への影響を調査するため、県民の血液検査などを求める決議と沖縄県議会への請願を採択した。

 集会は嘉手納、金武、北谷、宜野湾、うるま、那覇の市民代表が登壇した。PFASが分解が困難な性質のため、蓄積性があることを指摘。飲み水による健康リスクや土壌への影響を訴えた。

 うるま市の宮城英和さんは、昨年6月に同市の米陸軍貯油施設からPFASを含む消火用水が流出した事故に触れ、「基地がある所はどこでも起こり得る。命にかかわる問題だ」と強調した。北谷町の仲宗根由美さんは「子どもに有害な水を飲ませていたと思ったら耐えられない。安心安全に暮らすために県民全体で結束する時だ」と語った。

PFAS汚染の被害や危機感を訴える、「PFAS汚染からいのちを守る県民集会」の参加者ら

 米軍による環境汚染の調査を続けるジャーナリストのジョン・ミッチェルさんは、米国におけるPFASの最新動向を講演した。汚染源を特定する基地立ち入り調査を認めさせ、米軍に浄化責任を負わすために日米地位協定の改定の必要性も強調した。

 請願では、(1)北谷浄水場からの給水を受ける7市町村、金武町、うるま市の住民の血液検査、疫学調査の実施(2)母子の同調査の実施―を求めている。連絡会は採択された請願や決議文を米国・米軍、日本政府、県と県議会に手渡す予定。
 (新垣若菜、安里周悟)