スケボー少年たちが公園でごみ拾い「汚いと思ったから」 区長から感謝状 八重瀬町


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 【八重瀬】八重瀬町長毛(ながもう)区の中学生12人がスケボーの練習などで使う長毛運動場で自主的にごみ拾いをし、地域で評判になっている。5日、仲宗根朝(ちょう)吉(きち)区長(62)が「長毛の美化に積極的に取り組んだ」として、中学生に感謝状を授与した。代表して受け取った髙良勇貴人さん(15)=南部商業高=は「汚いと思ったから掃除しただけ」と淡々と語りながらも、感謝状は「うれしい」とはにかんだ。

自主的にごみ拾いをする中学生(当時)と感謝状を授与した長毛区の仲宗根朝吉区長(左)=1月31日、八重瀬町(仲宗根区長提供)

 仲宗根区長と髙良さんによると、運動場の一角にあるあずまやにはペットボトルやたばこの吸い殻、菓子の袋などが散乱していた。当時具志頭中学校の3年生だった高良さんたちはトングとごみ袋を持って、掃除に励んだ。散歩中にその光景を目にした仲宗根区長が声を掛けると、掃除中の中学生たちから「周りから自分たちが汚していると思われている」と戸惑いの声が返ってきた。

 親や学校、地域の人に言われた訳でもなく自分たちで率先して、ごみを拾う彼らの姿に仲宗根区長は「感動した」。最大で12人いた当時の中学生を表彰することを決めた。

 仲宗根区長は「悪いことは叱り、良いことは褒める。これからも地域の子を見守りたい」と目尻を下げる。

 髙良さんたちは公園でごみを見つけると、今でも「拾うようにしている」。生まれ育った長毛区が「きれいなまちになってほしい」との思いは変わらない。

(照屋大哲)