沖縄市長3選を果たした桑江朝千夫さん 「貧困連鎖断ち切る」決意新た


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当選が確実となり、花束と共に家族に囲まれて喜ぶ桑江朝千夫さん(前列左から2人目)=24日午後10時27分、沖縄市美里の選挙事務所(ジャン松元撮影)

 【沖縄】24日投開票の沖縄市長選は、市政継続を訴えた現職の桑江朝千夫さん(66)が、市政刷新を掲げた新人の森山政和さん(73)を破り、3選を果たした。選挙戦では2期8年の実績や公約達成率のアピールに併せ、「貧困の連鎖を断ち切る」と有権者に訴え続けた。3期目に向け、経済活性化や貧困対策などの公約実現に決意を新たにした。

 午後10時12分、桑江朝千夫さんの当選確実の一報が伝わると、沖縄市美里の選挙事務所は大きな歓声が湧いた。支持者に深々と頭を下げた桑江さん。事務所には万歳三唱が響き、桑江さんはカチャーシーを舞った。当選あいさつでマイクを握ると「2期8年が評価されほっとしている。これからの4年間も期待に応えられるように頑張っていく」と3期目への決意を新たにした。

 2014年の市長選で初当選し、2期8年を経て3期目の長期市政は沖縄市で32年ぶり、父・朝幸さん以来となる。

 選挙はこれまでの実績アピールに加え、貧困対策や経済政策を前面に、各地を奔走した。

 14日には、市長就任から約8年間を共に歩んだ副市長の仲本兼明さん=享年67=が急死した。二人三脚で実務を支え、本選挙の政策立案にも携わった。23日の最後の演説では涙ぐみ「仲本副市長に勝利をささげよう」と声を震わせる場面もあった。仲本さんを悼む喪章と黒いスーツを身に着けた桑江さん。拍手や指笛が鳴り響く中、目を潤ませ喜びをかみしめた。「勝利を仲本副市長に報告できることをうれしく思う。兼明、ありがとう」と声を振り絞った。

 (石井恵理菜)