沖縄初の「認定司書」に 恩納村文化情報センターの呉屋さん 「地域に根差した情報を発信したい」


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県内で初めて日本図書館協会の「認定司書」に認められた呉屋美奈子さん=15日、恩納村文化情報センター

 【恩納】恩納村文化情報センターの司書・呉屋美奈子さんがこのほど、豊富な実務経験や実践的知識を修得した「認定司書」に県内で初めて認定された。全ての住民に必要な情報を届ける「頼られる図書館」に向けて、「若手の司書を育成し、より地域に根差した情報を発信したい」と語る。

 認定司書は日本図書館協会が、実務経験や実践的知識を継続的に修得した者を、各地域の図書館経営の中核を担いうる司書として認定する制度。全国で165人が活動している。実務経験と講師歴などの自己研さん、論文で評価し、2022年度は新たに呉屋さんを含む15人を認定した。

 呉屋さんは図書館情報大学大学院修了後、県公文書館や読谷村立図書館を経て11年、恩納村文化情報センターの準備段階から同館に勤務する。沖縄国際大学で非常勤講師も務めている。

 今回、公立図書館での現場経験が10年となった「集大成として」認定司書に挑戦したという呉屋さん。同センターでは司書7人を束ねる係長で、来館者が求める情報に対し、具体的資料を示して回答する「レファレンス」に力を入れている。同館は人工知能(AI)技術を使った本検索システムの共同実験に参加するなど、先進的な取り組みにも積極的だ。

 呉屋さんは「知っているか否かで生活に格差が生じるなど、情報は大きな力を持っている」と強調し、「全ての人に情報を届けられる図書館でありたい。そのためには司書のマンパワーが欠かせない。若手を育成し、より地域に根差した情報発信に努めたい」と力を込めた。
 (岩切美穂)