知念が190キロ超級で2位 2年後には「超える」ライバルの強さ認める 全日本重量挙げ


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男子109キロ超級 ジャーク1本目で最低限の目標だった217キロに成功する知念光亮=1日、愛媛県新居浜市市民体育館(謝花史哲撮影)

 重量挙げの第82回全日本・第36回全日本女子選手権最終日は1日、愛媛県新居浜市市民体育館で行われ、男子109キロ超級で村上英士朗(東京・いちご)がスナッチ192キロ、ジャーク233キロ、トータル425キロの全種目で日本記録を塗り替え優勝し2連覇した。

 同階級の知念光亮(豊見城高―沖縄国際大出、いちご)はスナッチ183キロ、ジャーク217キロ、トータル400キロで2位だった。棚原幹善(沖縄工高―東京国際大出、アイビックス北陸)は9位。

 女子87キロ級の仲宗根夢来(本部高出―名桜大)は3位入賞した。男子109キロ級の屋良一郎(南部工高―沖縄国際大出、県協会)は4位、比嘉翔矢(沖縄工高―法政大出、警視庁)は6位だった。

 女子81キロ級の知念ひめの(糸満中―大阪産業大付高―平成国際大出、自衛隊体育学校)はジャークで棄権し記録なしとなった。

 会場内に告げられるスナッチ、ジャーク、トータル全種目の日本記録更新。男子109キロ超級の知念光亮(いちご)は、好敵手の村上(同)が先を行く姿に「さすがに強い」と力を認める。それでも「この2年で追いつく」と焦りは見せなかった。

 見据えるは2024年のパリ五輪だ。調子が不安定な中でも世界選手権大会選考基準のトータル400キロを記録した。「ここからきっちり合わせていく」と自らを奮い立たせた。

 昨年11月の全日本選手権はピークを合わせられず不調に終わった。今回は計画的に練習してきたが、大会の3週間前に体調を崩した。一週間ほどシャフトを握れず、足腰の力が低下した。スナッチは技術面で補って3本全て成功させ、183キロまで記録を伸ばすことができた。ただジャークまで余力を残せず、2本目以降は失敗が続いた。

 優勝を逃したものの、悲観はない。同い年で高校時代から同階級でしのぎを削り、勝敗を分けてきた村上の成長を見ることで、自らの可能性も確信する。長身の利点を見定め「こっちは体重増でパワー強化をまだまだ図れる」と見通す。五輪前までには「必ず超える」と悔しさを発奮材料に、日本新更新を狙う決意だ。
 (謝花史哲)